2008年12月20日 16:31 | 2 Commentscomment

レコードショップCISCO倒産が示すもの〜想い出のサンフランシスコ〜She’s gone〜(後編)

Bookmarks  はてなにブックマーク このページをdel.icio.usに登録 この記事をLivedoorクリップ! このエントリをニフティクリップに登録 このエントリをBuzzurlにブックマーク このページを POOKMARK Airlines の行き先に登録する このエントリを BlogPeople Instant Bookmark に登録 

前編では、音楽メディアにおけるデータ化の波が与えた影響について考察した。それでは、CISCOの悲劇を繰り返さないためにショップとユーザーの関係はどうあるべきなのか?

アーティストとリスナーの関係に<br>大きな一石を投じた「MySpace」。

アーティストとリスナーの関係に
大きな一石を投じた「MySpace」。

まずはショップ存続の生命線となる、セールスに至るまでにどんなことが必要なのか考えてみる。
リスナー側が第一に考えるのは、やはり気になる音源がきちんと試聴出来るかどうか、に尽きると思う。店舗での試聴盤はもちろんのこと、いまどきウェブサイト内でも聴けなければアウトだろう。近年MySpaceYouTubeの出現によって、新曲であればほぼフルで聴けることはもはや常識となっているし、そこで楽曲をチェックして購入、という図式もベーシックなものになりつつある。

そんな中、「試聴」というポイントにおいて特別なことを実践している店舗がある。渋谷のテクノに特化したレコードショップ『テクニーク』だ。それは何かと言うと、店側が用意したものだけでなく、商品の“全て”が試聴できるのだ。いや〜これはなんとも粋なはからいである。通常1枚しかない試聴盤を他のお客さんが持っている場合、その試聴が終わるまで我慢しなければならないというもどかしさがないのだ。サイコーである。贅沢な考えかもしれないが、これがショップのあるべき姿ではなかろうか? もちろんお客側のマナーがあってこそ成り立つシステムであることは忘れてはならないが、レコードにおいて完全な新品まで試聴できるお店なんてのはそうそうないので、お客さんが自然と長居してしまうのも頷ける。
しかし、店に出向くには手間と時間がどうしても必要なので、自分のタイミングでできるネット試聴のほうがベターという人が大多数だろう。試聴機を独占するってのは図々しくて出来ないよ〜っていう、おくゆかしい人もいるはずだ。

となると、結論としてはやはりオンラインショッピングで事足りる、ということになる。それを示すように、あれだけ輸入盤が安くて魅力的なレコファンは、ウェブに対応しきれていないせいか、縮小の傾向にある。乱暴ではあるが、実店舗を必要としない時代に突入しているのかもしれない。レコードショップの店舗数でギネスにも載った宇田川町はもう過去のものになってしまうのだろうか?
だが、まだまだ実店舗の需要が存在するのは事実だ。それを証明するように、渋谷のディスクユニオンや前述のテクニークでは、会社帰りのスーツを着たサラリーマンの方もたくさんディグしに来ている。近年レコードショップの営業時間も後ろ倒しになっている傾向はそのせいだろう。今や22時まで開いている店舗も珍しくないし、みんなが掘っている光景を見る限り、レコードもまだまだ元気なことを示している。
まぁ、ユニオンに関しては中古品も扱っているので、そこも大きいのだろうと思う。中古品はコンディションがまちまちだったりするので、やはり実店舗で現物を見たい、となってくる。そう、古着屋と同じように。とりわけ中古屋のなかでも、ユニオンは商品回転率のスピードとクオリティで目を見張るものがある。ユーザーの中でも買取に持ち込むのならユニオン!…というサイクルがしっかりとできたからこそ、この不況の中でも店舗を増やせているのだろう。いつも活気に溢れているので、ついつい購入してしまう。

そして、やはり人との繋がりで“現場”の情報を仕入れたりするには、実店舗でのコミュニケーションが一番だと私は思うのだ。数年前までは馴染みの店員さんと、『あのパーティどうだった?』とか『このレコードがサイコーなんだよね!』って、たわいもない話をしながら最新情報を仕入れ、共有していたものだった。洋服においてもそうだったはず。それが今では「店員とのやりとりが面倒だからネットで買う」って人もいるみたい。顔なじみの店員さんってすごくありがたいと私は思うのだが…。まぁ今の若者はそうでもないようだ。

現在は雑誌よりもスピーディーなウェブにおいて、各分野に特化したサイトも充実しているし、音楽ではMySpaceで世界中のアーティストとダイレクトに繋がることが出来る。流行の最先端はショップである、と断言出来なくなっている時期が来たんだと思う。CISCOのように時代に淘汰されてしまうことはもう不思議じゃない。これも、音楽だけではなく洋服も。
確かにネットの文字や画像から伝わるデータはとても便利だが、ショップでの人との繋がり(カワイイショップ店員さんとか含めて、ね)や、そのモノから直に伝わるエネルギーは大切にしていきたい。今の『mixi』などのSNSで見かける“リア友(リアル友達)募集”という言葉の響きは、見ていて正直悲しくなってしまう。あのような表面だけの繋がりを求めてしまうのはいかがなものか!
やはり音楽はナンダカンダ言っても「ライヴが一番」と言われる由縁は、人との繋がりが目の前にキチンとあることなんだと思う。洋服だって、実物を試着してのイメージが違ったこともたくさんあるし、通販でのカラーリングやサイジングの失敗なんて一度や二度じゃ済まなかった。現在の買い物のスタンスとしては、まずネットや雑誌で情報も仕入れつつ、直接お店に顔を出すのがやっぱりベストなんだと思う。皆さん、もっとショップに行こうじゃないですか!

今井康晴

PROFILE

今井 康晴(いまい やすはる)

アシスタント時から音楽の造詣が深く、独立後スタイリストと並行し音楽ライターとしても活動し、
Techno,House,Hip-Hop & J-Popなど、ボーダレスな音楽を昇華したスタイリングを日々探求し続けている。
現在、音楽誌『remix』などでも執筆中。アルコールは苦手な1982年生まれ、TK世代。

2 Comments

ばか
2008年12月22日 12:06

シスコは潰れるべくして潰れたって感じであんまり悲劇じゃないような…

おまえはバカか
2009年06月27日 17:31

ciscoの廃業は一つの歴史が終わったのも同然で残念であったが。それよりも出稿元(金)に翻弄され、本当にいい音楽を伝えれない某音専誌もはやく廃刊になり、この業界もあるいみ”remix”されればいいのに…。その暁にはレコードもダウンロードももっと売れる。レコードが売れなくなったのはスティーブジョブズの責任ではなくクソメディアの責任でしょ。

注目の記事
人気の記事
注目ブランド
人気ショップ
Page Top